2012年5月28日月曜日

5/11 未来へ奏でるクラシックコンサートのレポートです。後編


梅原あき子です。

5月11日にフィリアホールで開催された、原発のない未来について考えるトークセッションのレポートの後編です。
鎌仲監督の発言の要点は、前編をご覧ください。→リンク

次に、北原まどかの発言を要約してみます。ぶんぶん♪

3.11後、今までの自分の生き方、暮らし方への反省と憤りを持ち、自分たちで未来を変えたいと考える個人が集まり、あざみ野ぶんぶんプロジェクトがスタートした。3.11直後は、青葉区も被ばくの危険性は十分にあり、こどもを被ばくさせてしまったのではないかという不安、後悔の念も、いまだに拭えない。
けれど、とにかく今はここに住む、そう決めた以上は、地域の仲間ともっともっと未来の「夢」を語って、それをかなえていく人生を歩みたいし、そうしたいと思う仲間が増えている、」

実際、あざみ野ぶんぶんプロジェクトの活動を始めたことで、地域に素敵な仲間が増えたことは大きな変化の一つ。月1回の勉強会を続けて2年目の今年、「お母さん版エネルギー基本計画をつくろう!」というプロジェクトが生まれて、約40年後、2050年の自分たちの暮らし、未来を具体的に描いていくというワークと対話を重ねている。
そのなかで、「窓を開けて暮らせる社会をつくりたい」というキーワードが出てきた。これを実現するためのアイディアや提言を7月には一つの形にまとめて、山崎さんを通じて政府に提出する予定である。

鎌仲監督の最新作「内部被爆を生き抜く」でも、「お母さん革命」を起こそうと、福島のお母さんたちが子どもたちを守るためにがんばっている姿に共感した。放射能汚染の問題や原発事故の影響は楽観視することはできないけれど、自分たちで未来を描き、そこから今を考えることは大切で、楽しい。「家庭の経済」を握るお母さんは、実はとても重要な存在で、日々の消費を洗練させていくことで未来を変えることが出来ると思う。


☆まどかさんは今日この会の為に、届いたばかりのDVDを朝4時に起きて観たそうで、そのプロ魂には頭が下がります。


そして山崎さんからの、エネルギーシフトのために具体的にできることは? という問いかけには、お二人からこんな意見が出されました。

まどか:都市では太陽光発電よりも、太陽熱利用の方が実は効率が良く、東京都では太陽熱利用を進めている。そもそもエネルギーって電気なのか?と考える必要がある。また、早寝早起きの生活をしてみるなど、余分な電気を使わないよう心がけることも一つのの方法。

鎌仲:人は楽をしたい!と思っているもの。あまり無理して節電するよりは、発電方法のアイディアを出し合う方が合理的ではないか。例えば、新宿駅の階段で、人が上り下りすると発電出来るというようなシステムも実用化の可能性は高い。夏のピーク時に電力が足りないと、マスコミや政府はあおるが、ピークシフトを賢く工夫をすれば大丈夫。スウェーデンなどでは、バカンスをとるので、夏は最も電力消費が少ない。すぐに取り入れなくとも、そういう国があると知っていると考えが広がる。廃炉にした原発の、タービンはそのまま利用して、バイオマスを燃やすなど原料を変えるという方法もあり、それによって地元での雇用が生まれる。

☆階段の振動で発電するアイディアのように、まだまだ見えてない、気付いていない再生可能なエネルギー資源はありそうです。それを発見したいと秘かに思うだけでも、日々の暮らしが変化しそうな気がしますが、国のレベルではどうなのでしょうか。


26年前、北海道を自転車で旅行中に泊原発に遭遇し、その時感じた違和感が脱原発の原点だとおっしゃる山崎誠さんは、まさにぶんぶんしつづけてきた政治家。鎌仲監督と出会ったのも祝島。山口県上関原発の建設反対の活動中のことだったそうです。そんな山崎さんからは、以下のようなお話を伺う事ができました。


「内部被ばくを生き抜く」の中で、放射性物質の性質をイラストにしたものがあり、それは、分かりやすくて非常に参考になった。こうした情報の共有は必要だと思う。
政府のエネルギー調査会のトップの方々が、いまだに原発の危険性を認識していないのは大きな問題。原発事故のリスクについて、新幹線や飛行機も事故を起こすではないか、という話を持ち出す始末で、彼らを相手に政策をどう進めていけるか。再稼働の前に、家屋の除染、帰宅困難者の支援、森や畑の除染など、福島の人々を先に救うのが国の責任だと思うが、救済できていない。

「環境を守る」というのが人の命、暮らしを守ることに繋がると考えているが、脱原発の政策によって、今度は自然エネルギーの利権が生まれたり、再生可能エネルギーを語る森林の破壊などが起こる可能性を危惧している。原発再稼働に積極的な地元の人も多い(ここは鎌仲さんとは意見が食い違うところでした)。原発というシステムが経済、産業の仕組みに組み込まれすぎているという現実があり、政治家として、脱原発をいかにソフトランディングさせて行けるかが大きな課題だと考えている。


☆以上、簡単ではありますが、当日の様子が少しでも伝わったでしょうか。最後まで読んでくださった方ありがとうございます。


ところで、今回のイベントの主催は、しろうとゼミ!実行委員会。しろうとゼミ!というのは、「知ろうとする素人大集合!新しい社会を考える大勉強会」のこと。今回はゲストを招いて大きなホールでの開催でしたが、本来は、誰でも参加して、山崎さんに直接意見を伝えることができる場のようです。5月20日、藤が丘地区センターでのしろうとゼミ!vol.4にぶんぶんメンバーの1人が参加してきました。非常に有意義な時間だったようで、後日またその報告があるかもしれません。

それではまた!ぶんぶん~♪

★このトークセッションのもようは、青葉区の地域情報紙「タウンニュース」でも取り上げられました!
http://www.townnews.co.jp/0101/2012/05/24/145313.html

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