案内で、長野県飯田市のおひさま発電所を見学してきました。
りんごと人形で有名な街、飯田は実は太陽光発電のメッカ。
あざみ野ぶんぶんでも、2011年11月に「おひさまファンド」の
永田光美さんをお招きして勉強会を開いたので、ご存知の方も
多いかもしれませんが、飯田市とその周辺には、既に市民出資
でつくられたおひさま発電所が、250カ所以上あります。
今回のツアーでは、そうした発電所のいくつかを見学して
その事業を成功させた新しい公共を目指す
「おひさま進歩エネルギー株式会社」の社長、原亮弘さんのお話
も伺う事ができました。
その様子を2回に分けてレポートいたします。
(文責:梅原あき子)
飯田では有名! おひさま進歩エネルギー株式会社のゆるきゃら 「さんぽちゃん」発電中はランプが回転します。 |
新宿から車で約4時間。飯田市は長野県の最南端に位置する
人口10万人程の小さな街です。山間の土地ですが信州とはいっても
冬に雪の降る事はほとんどなく、年間日照率が全国的にみても
かなり高い地域なのだそうです。たしかに空が広い。
太陽光発電、太陽熱温水器設置に適している土地なんですね。
街全体を見渡せる高台から、左手前にソーラーパネルが |
あ、ここにも。隣近所みなさんつけていらっしゃる! |
市民出資の「おひさまファンド」によって
太陽光パネルが設置された施設には、幼稚園や保育園も
多数あります。
鼎みつば保育園のパネル。2005年に設置。 |
明星保育園 2004年5月設置。3kW発電できます。 |
明星保育園はパネル設置第一号! |
明星保育園東側には、さらに新設されたパネルが。 それにしても山が近いです。 |
子ども達のすぐそばにある発電所は、なんだかほのぼの
した雰囲気です。幼稚園側の初期費用はゼロ!なぜなら
おひさま進歩エネルギー社が、出資金を募って設備投資を
するからで、それに対して幼稚園側はサービス料として
月々一定額をおひさま進歩に一定期間支払います。そして
発電した電気を売って資金を回収するという仕組みで、
事業が成り立っています。
出資者側からすると金融商品なので、おひさま進歩に利益が
出れば元本以上のお金が返ってきます。もちろんその反対で
元本さえ戻って来ない場合もありますが、今のところ銀行に
預けるよりも金利が良い状態で返せているそうです。パネル
を設置するのは地元企業なので仕事が増え、雇用も生まれます。
自然エネルギーの普及と、経済活動が共にうまくいくならば、
エネルギー問題に関心がない人でも、ちょっと心が動きますし
ただ儲かることだけを追求するのではなく、自分で出したお金
が未来をよくするのに役立つというのは希望が持てますよね。
思い切って出資してみるのも、エネシフのための大きな一歩です。
おひさま発電所の取り組みが気に入ったから「えねぱそ」を買って
応援するというのも、個人で出来る事の1つですね。
町中のお医者さんにも太陽光 木下クリニック |
介護施設 ゆいの里の屋上。前日の汗ばむ程の晴天 から一転、2日目はあいにくの曇天でした。 |
ゆいの里方式。なんと接着剤で床面に固定 するだけ。簡単で工事費もおさえられたそう。 通常もっと頑丈に固定するのに、ほぼパネルの 重さだけで台風にも耐えたというから驚きです。 |
おひさまの丘、メガソーラーいいだは中部電力が管理 している施設。静かな高台にある無人の発電所ですが、 いつでも誰でも見学できます。ご丁寧に駐車場とトイレ も完備。メガソーラーとは1000kW以上の出力があるもの で、年間発電量が想定100万kW、約300世帯分の年間使用 電力をまかなえるそうです。2011年1月に運転開始。 |
かなりの量のパネルが並んでいます。 |
静かな管理人たち。フェンスと有刺鉄線がはりめぐら されていますが、近寄りがたい雰囲気ではありません。 写真もばしばし撮れます。普通の人が近づけるというのも 原子力発電所と大きく違う点かなと思いました。 |
飯田には、小水力や、木質バイオマスなど、太陽光以外の
自然エネルギー資源も豊富なので、エネルギーを地産地消できる
可能性が非常に高いです。
子ども達への環境教育にも力をいれているそうで、
生まれた時から、自然エネルギーを使うのが当たり前な世代が
誕生しつつあるというのが、とてもいいです。
一方で、非常にふるい日本の祭りが残っていたりと、文化的にも
特色があって、今とても面白い土地だと言えます。
独立型ソーラーシステム作りも面白いので、もっと広めたい
のですが、市町村レベルで動き始めている飯田市は要注目。
ぜひ目を向けて欲しいです。
出資者の名前が刻まれたボードが市内動物園前に。 竹村さんや、同行した方のお名前もありました。 100年後にも残っているかな。 |
次回は、おひさま進歩エネルギー社がどんなふうに
出来ていったのか、交流会の様子、今回泊まった温泉宿「三宜亭」の
自然エネルギー活用についてお伝えしたいと思います。
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